2004年05月12日

Web大衆化10周年 - 1

Webの歴史を紐解くと(ここが詳しい)、W3C(WWW Consortium)が設立され、Netscape Navigator1.0がリリースされたのが今からちょうど10年前。
大雑把に見れば、それ以前が大学/研究機関を中心とした学術的利用だったのに対し、この年を境としてWebがより一般大衆向け利用という新たなフェーズに突入したと言える。

Web利用が一般化し始めて10年という節目を迎えるにあたり、ユーザーがWebに求める利用価値、Webで成し遂げたい欲求について振り返ってみたい。


Morgan Stanley数年前から、インターネットを支えるキラーアプリケーションとして、1番目:メール、2番目:ブラウザ、3番目:SFO、の3つを挙げている。(最新レポートはこちら
3つ目のSFOは日本では滅多に用いられることのない用語であるが、"Search"、"Find"、"Obtain"を意味し、最近になって米国では結構使われてきている言葉である。
誤解の無いよう補足すると、Morgan Stanleyのインターネットチームは3)の「SFO(Search/Find/Obtain)こそが既存のオフライン広告市場を破壊し拡大させる可能性が高い」という意味において3番目のキラーと表現している。

彼らの分類ではこのSFOに「Google, eBay, Amazon.com, Yahoo!, Expedia, Microsoft, Overture」といった企業が入っており、ビジネス的観点からすれば収益性が高い(=勝ち組み)という点において納得感のある(都合の良い)区分であるものの、ユーザー視点でWebに求める利用価値を考えるには些か使いにくい区分である。

というのも、1、2は純粋なアプリケーションであるのに対して、3は寧ろサービスとして捕らえた方が良く、それぞれを並列で比較するのが難しいからだ。
また、SFOという区分は購買における「プロセス」そのものであり(マーケティング本に出てくるAIDMA法則に近いか?)、オフラインでの購買行動がオンライン上に移るハズ!いう意図が垣間見えてしまう。

投資家から見たProfitabilityと、ユーザーから見たConvenienceの違いと言えば理解しやすいかも知れない。
事業としてProfitableであることはビジネスを継続するための最低条件であるが、市場が成長し、新たなビジネスが創出され続けている現在、ユーザーにとって何がConvenientであるか?
ということの見極め・探求こそが重要であり、ユーザー視点を取り入れないとするとWebの持つポテンシャルを俯瞰するにおいて、新たな潮流を見落とす可能性が高いと思う。


この10年間、様々な企業・サービスが世に登場し、紆余曲折を経て大半は消え去って行ったが、ユーザーがWebに求めてきた利用価値、もしくはWebで成し遂げてきた欲求、を振り返ってみると、意外にもユーザーの求めているものは殆ど変わっていない。

この10年、絶えずユーザーがWebに求めてきたこと、それは次の3つでは無かろうか?
Search、Communication、Entertainment」。


あまりにも当たり前すぎる内容であるが、今後この3つ「Search、Communication、Entertainment」について数回に分けて振り返っていく。

Posted by Ozaking at 01:40 | コメント (2) | トラックバック